ご当地オリジナルブランド「コベピポ」を創作
絵と文で光をもたらす女性がいる。MACB(株)代表取締役でエッセイ漫画家・イラストレーターの都あきこさんだ。神戸に暮らすKOBEPEOPLE、略して「コベピポ」をご当地ブランドとして発表し、地域活性化に大きく貢献している。
大学卒業後は広告代理店に就職。多忙な中でエッセイ漫画を描き続け、コンクール入賞を機に独立。結婚、出産後は、我が子との海外旅行や生活術などの身近な話をテーマにしたコミックエッセイを多数出版し、独自の活躍を続けた。
転機となったのが、40歳で再び始めた学生生活だった。長年続けていたヨガを通じて東洋医学に魅せられ、「生命科学を学びたい」と神戸大学理学部に編入学。がん細胞発生の機序の研究に打ち込んだ。「若者に交じり実験に勤しむ日々。元々文系で大変でしたが、先生や学生に助けられ無事修了できました」と振り返る。物事を徹底的に調べ、エビデンスを積み重ねて書くという現在の制作姿勢は、理学部での学びの中で培われた。
理解しづらいことを咀嚼し、コミック、イラスト図解、キャラクターなどのビジュアルを効果的に使って、分かりやすく伝える。「専門的な話やシリアスなテーマも、表現の工夫で無理なく心に届けます」と自信を見せる。その手法で、微生物学の知識から「菌との付き合い方」を切り口にしたコミックエッセイ「今日から『菌トレ!』」(小学館)などを上梓してきた。また、コミックを活用した企業の広告・プロモーションにも力を注ぐ。「企業の方から『うちの事業は説明が難しい』と聞かされることも。第三者の自分が、素人目線で分かるまで話を聞き、アウトプットするというやり方をしています」
他に、ヨガ・ヘルス事業も重要な柱。健康経営が企業の大きなテーマとなる中、事業所へのヨガプログラムの提供も検討していく。
代表作「コベピポ」は、キャラクターを自在に造形し、顧客ごとにカスタマイズできる。今後は、変幻自在で潜在能力の高いこのキャラクターを活用したノベルティ・オリジナルグッズの一層の充実を目指している。豊富な実績を持つキャラクター・グッズ制作では、近く尼崎城関連の作品を発表する予定という。
「大阪・関西万博を視野に入れ、大学での経験を生かして『いのちの輝き』をテーマにアウトプットしたいですね」。マルチな活躍が続く。